2014年5月11日、第9回脳リハ研定例勉強会が行なわれました。当勉強会に初参加となる方もいらっしゃいました。多様な職種が集まる中、大変盛況に勉強会を終えることができました。
各発表においては、興味深い症例や現象、役立つ情報などが沢山報告されました。初めての参加者からも「すごい面白かったし、勉強になった」、「自分も似たようなケースを担当していたので、すごく納得した」、「勉強会を継続して来たい」、「できれば自分も発表してみたいと思った」等のコメントが寄せられました。
以下、写真による勉強会の様子も含めて概要をご報告します。
期日 2014年5月11日(日) 13時00〜16時30分
会場 タワーホール船堀 407会議室
参加者 29名
内容
症例検討1 13:10~13:50(40分)
「脳出血後、病巣同側に片麻痺を生じた症例」
大村優慈 氏(国際医療福祉大学)
症例検討2 13:50~14:40(50分)
「橋梗塞により高次脳機能障害を呈した1症例」
若旅正弘 氏(鶴巻温泉病院)
症例検討3 14:50~15:30(40分)
「遷延性の重度幻肢痛がミラーセラピーで消失した右大腿切断例」
杉山 聡 氏(下志津病院)
高杉 潤 氏(千葉県立保健医療大学)
プチ神経科学講座 15:30~16:10(40分)
「体性感覚の伝達経路とその評価」
岡本善敬 氏(茨城県立医療大学大学院)
各発表の抄録は、前回の案内ブログ「
第9回脳リハ研定例勉強会のご案内(第3弾)」をご覧下さい。

大村氏による報告
脳出血により、病巣同側に著明な運動麻痺が生じた症例のKernohan's notchの関与について、わかりやすい解説がなされました。

若旅氏による報告
脳幹レベルで生じる高次脳機能障害の特徴と、その想定されるメカニズムについて、解説がありました。大変興味深い発表でした。

杉山氏による発表
4年間、激痛に悩まされていた幻肢痛例に対し、ミラーセラピーを試みた結果、短期間(10日間)で幻肢痛が消失したとの報告がなされました。1日2回+αの鎮痛薬を要していた症例が1日1回のみにコントロールされた点は、幻肢痛のメカニズムとその治療法を考える上でも、医療経済の観点からみても大変意義深いものでした。今後の研究の発展が期待されます。

岡本氏による講座
感覚の伝達経路等について復習を中心とした内容が話されました。また検査の実際も実演兼ねて行われました。これらの知識を踏まえて評価することは、臨床で出会う様々な症状を呈する症例の障害像を理解する上で、大変重要だと再認識する機会となりました。