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脳機能とリハビリテーション研究会ブログ

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第11回脳リハ研 定例勉強会のご報告

去る11月9日、第11回脳リハ研定例勉強会が行なわれました。
前回勉強会と同様、当勉強会に初参加の方が半数以上となり、新たな顔ぶれの中、大変盛況に勉強会を終えることができました。また、今回も多数勉強会への事前参加申し込みをいただき、事前に受付終了を行うこととなりました。申込予定の方には大変申し訳ございませんでしたが、ぜひ次回以降の参加をお願いします。


第11回脳機能とリハビリテーション研究会定例勉強会
期日  2014年11月9日(日) 13時00〜16時30分
会場  タワーホール船堀 306会議室 
参加費 会員 無料  非会員 500円  学部生 無料
参加人数  29名


内容 
プチ神経科学講座
「片麻痺に間違われる運動障害
 −その症候の特徴と見極めるポイント−」

 高杉潤 氏(千葉県立保健医療大学)

症例検討1
「橋出血により損傷側に運動失調、反対側に運動麻痺・感覚障害を呈した症例の介入について」
濃畑陽二郎 氏、市村大輔 氏(多摩川病院)

症例検討2
「被殻出血により運動麻痺を呈した2症例の予後に関して~なぜ運動麻痺に違いが生じるのか~」
森田晃成 氏、市村大輔 氏( 多摩川病院 リハビリテーション科)

症例検討3
「脳卒中発症から3年以上が経過し,運動無視様の症状が残存している症例について」
今村武正 氏( 鶴巻温泉病院 リハビリテーション部)

発表内容の概要は、前回案内のブログをご覧ください。
http://noukinou.exblog.jp/21156543/



■定例勉強会の様子
各発表において、大変興味深い話題が提供されました。

高杉氏からは運動麻痺によらない運動障害について、動画を交えながら大変わかりやすい発表がなされました。
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 高杉氏の発表の様子



濃畑氏からは、橋出血により損傷側に運動失調、反対側に運動麻痺・感覚障害を呈した症例についての発表がありました。四肢近位筋の筋力低下が、遠位筋よりも著明であったことが印象に残りました。今後、同様な症候を呈する症例と比較したいと感じた発表でした。
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 濃畑氏の発表の様子



森田氏からは、左被殻出血により右側の運動麻痺を呈した2 症例を比較した報告がありました。2症例の脳画像では、あるスライスでは損傷範囲は類似していましたが、視床レベルのスライスにて、内包後脚の損傷範囲が2症例において異なっていました。ディスカッションでは、この影響が臨床症状に現れている可能性があることについて話し合われました。
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 森田氏の発表の様子



今村氏からは、脳梗塞発症後3年が経過し、運動無視症状が残存している症例についての報告がなされました。運動無視については、他の症候(運動麻痺・半側空間無視・半側身体失認・認知障害など)に隠れてしまい、臨床でなかなか判断が難しいこともあります。また、運動無視症候を伴うとリハビリテーションがしばしば難渋することがあります。参加者の中で、「そういえば、このような患者さんを前に担当したことがある」、「結構大変だったな」などの声が聞かれ、運動無視を呈する患者は、報告されている数と比較し、それほど少ないわけではないのかもしれないとの印象を受けました。
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 今村氏の発表の様子



第11回定例勉強会の報告は以上となります。
次回勉強会のご案内については、近日中にお知らせ致します。
by noureha | 2014-11-10 22:16 | 勉強会
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