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脳機能とリハビリテーション研究会ブログ

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第12回脳リハ研 定例勉強会のご報告

去る2月15日、第12回脳リハ研定例勉強会が行なわれました。
前回勉強会と引き続き、当勉強会に初参加の方が半数程度となり、新たな顔ぶれの中、大変盛況に勉強会を終えることができました。また、ディスカッションも非常に活発に行われました。定例勉強会は、今後とも3か月に1回の頻度で継続してゆく予定です。引き続きのご参加および報告をお待ちしております。


第12回脳機能とリハビリテーション研究会定例勉強会
期日  2015年2月15日(日) 13時00〜16時30分
会場  タワーホール船堀 407会議室
参加費 会員 無料  非会員 500円  学部生 無料
参加人数 32名


内容 
プチ神経科学講座
「視覚と失認」
 山本竜也 氏(つくば国際大学)

症例検討1
「中脳大脳脚(皮質橋路)の損傷により、lateropulsion様の症状が出現した症例としなかった症例の比較」

沢田達也 氏( 麻生リハビリ総合病院)

症例検討2
「非麻痺側下肢筋力の向上が起立動作時のpusher現象に及ぼす効果」

曽根佑太 氏(鶴巻温泉病院)

症例検討3
「両側被核損傷症例への大脳基底核周囲機能検査の介入」

市村大輔 氏( 多摩川病院 リハビリテーション科)

症例検討4

「視覚、触覚刺激以外で誘発された本能性把握反応様の症状」

若旅正弘 氏(茨城県立医療大学付属病院)


発表内容の概要は、前回案内のブログをご覧ください。
http://noukinou.exblog.jp/21428540/

■定例勉強会の様子
各発表において、大変興味深い話題が提供されました。

山本氏からは視覚情報の処理に関するプチ神経科学講座が行われました。動画を交えたプレゼンテーションであり、非常に理解しやすい発表でした。

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 山本氏の発表の様子



沢田氏からは、中脳大脳脚の損傷によりlateropulsion様の症状が出現した症例1例、出現しなかった1例についての検討が行われました。lateropulsionのメカニズムについては一部報告がなされておりますが、未だ詳細な点については不明となっています。今後も継続した報告をお待ちしております。

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 沢田氏の発表の様子



曽根氏からは、非麻痺側下肢筋力の向上がpusher現象に及ぼす効果についての報告がありました。非麻痺側下肢筋力が低い状態では、座位や立位などの課題難易度が上がるため注意容量が不足しpusher現象が起きるのではないかという考察は非常に新鮮に感じました。今後とも継続した検討および報告を拝聴したいと思います。

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 曽根氏の発表の様子



市村氏からは、Arimura et al.(2013)とTanji & Shima(1994)で使用された認知行動課題を一部改変し、頭部CT所見上、両側被核に低吸収域が認められた症例に課題を施行した報告が行われました。基底核障害患者に認知行動課題を行うことで、新たな注意機能検査になりうる可能性を感じました。引き続き報告をお待ちしております。

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 市村氏の発表の様子


若旅氏からは、視覚および触覚以外で本態性把握反応様の症状が誘発された症例についての報告がなされました。本態性把握反応が生じる条件、メカニズムについて理解が深めることができました。


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 若旅氏の発表の様子



第12回定例勉強会の報告は以上となります。
次回勉強会のご案内については、近日中にお知らせ致します。



















by noureha | 2015-02-16 20:20 | 勉強会
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