本年度の研修会は、茨城県立医療大学にて、11月22日(日)と23日(月・祝)に、2日間にわたり開催されました。
1日目には、4人の先生方にご講演頂きました。
初めに、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院理学療法士の迫力太郎氏に「脳画像読影のためのはじめの一歩~CT・MRI脳画像の基礎知識~」についてご講演頂きました。画像読影のポイントとして、①損傷部位・大きさを確認、Mass effect、Midline shift、病期に応じた変化を把握すること その上で、②臨床症状・損傷領域の比較、③機能・能力予後予測を行うことを挙げられました。このようなポイントに注意しながら、実践で学んでいくことの必要性を述べられました。
次に、茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科の山本哲氏に「脳画像から解剖学的ランドマークを同定する方法」についてご講演頂きました。脳画像の読影に最低限知らなければいけない、脳溝や脳回について説明した後、中心溝と一次運動野、頭頂間溝と上頭頂小葉・下頭頂小葉などの部位の同定の方法について解説されました。
午後には、昭和大学藤が丘病院診療放射線技師の本寺哲一氏に「診療放射線技師からみた脳MRI-基礎から応用までー」についてご講演頂きました。初めに、MRIの原理やMRI検査の安全管理などの、基礎的な知識を説明され、T2・T1・DWI・FLAIR・ADCなどの異なる画像コントラストを組み合わせて、どのように検査を行い、異常所見をピックアップしているか解説されました。
本日の最後には、茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科の沼田憲治氏に「脳画像と神経学的・神経心理学的徴候との関連」についてご講演頂きました。脳画像を読解する上で必要な所見・解剖学的構造の知識を概観し、脳の機能的構造として、左半球と右半球の差異や大脳皮質の階層的構造および神経学的・神経心理学的検査の意義について解説されました。
2日目には、1日目に学んだ読影の基礎知識を利用して、グループワークにてMRI・CTの読影を行いました。初めに、画像全体像の把握と損傷部位の同定を行い、CT・MRIの経時的な変化を把握した上で、画像から生じる臨床徴候を推定しました。その後、実際に生じた臨床徴候を呈示し、画像所見と関連性についての理解を深めました。最後に、各グループでまとめたケースについて発表していただきました。