2月19日、第20回脳リハ研定例勉強会が行なわれました。
今回の勉強会も大変盛況に勉強会を終えることができました。次回の定例勉強会も、引き続きのご参加および報告をお待ちしております。
第20回脳機能とリハビリテーション研究会定例勉強会
テーマ「症例報告の再考」
期日 2017年2月19日(日) 13時00分〜16時30分
(開場:12時50分より)
会場 タワーホール船堀(東京都)
403会議室(4階)
アクセスMAP参加費 会員 無料 非会員 500円 学部生 無料
参加人数 29名
内容 特別講演1「症例報告の意義と方法」
高杉潤(脳リハ研 会長,千葉県立保健医療大学)
特別講演2
「症例報告の推進に向けて -定例勉強会の活用例-」
山本哲(脳リハ研 勉強会企画部部長,茨城県立医療大学)
特別講演3
「症例報告が基礎研究にもたらすブレイクスルー」
山本竜也(脳リハ研 学術大会企画部部長,つくば国際大学)
症例報告1
「Opalski症候群を呈した症例の理学療法経過
- 酷似する梗塞巣を有したWallenberg症候群例との比較 -」
加藤將暉 氏(虎の門病院分院),高杉潤(千葉県立保健医療大学)
発表内容の概要は、前回案内のブログをご覧ください。
本研究会の定例勉強会も第20回という節目の回を迎えました。
そこで本研究会で基礎研究とともに推進している症例報告について改めて考えるために、「症例報告の再考」を今回の定例勉強会のテーマとして掲げました。勉強会では3題の講演と1題の症例報告が行われ、症例報告の意義、方法について様々な視点からディスカッションが行われました。
特別講演1「症例報告の意義と方法」では,
本研究会会長 高杉氏より臨床研究における症例報告の立ち位置、重要性、具体的な方法論について非常にわかりやすく説明をしていただきました。
症例報告は、多数例を対象とした研究では得ることが難しい、症例の詳細について貴重な情報を得ることができるものであることを改めて認識することができました。
高杉 氏の発表の様子
特別講演2「症例報告の推進に向けて-定例勉強会の活用例-」では、
本研究会 山本哲氏より、症例報告を行うために本研究会で行っている研修会、勉強会、学術集会の活用方法について説明がありました。定例勉強会での発表から論文投稿に至った具体例の提示もあり、本研究会で症例報告をする方法について具体的にイメージすることがすることができました。
山本哲 氏の発表の様子
特別講演3「症例報告が基礎研究にもたらすブレイクスルー」では、
本研究会 山本竜也氏より症例報告の意義について、臨床研究と基礎研究との橋渡しという観点から著名な症例(前頭前野損傷による社会的行動障害、遂行機能障害(フィネアス・ゲージー)、側頭葉損傷による記憶障害(ヘンリー・モレゾン、コフサコフ症候群)、後頭葉損傷による相貌失認を伴わない物体失認症例)に関するストーリーを基に話題提供がありました。脳損傷例(症例報告)から脳の機能に関する仮説が立てられ、その仮説が基礎研究により検証されるという流れが明快に示されており、非常に興味深い内容でした。
山本竜也 氏の発表の様子
症例報告1「Opalski症候群を呈した症例の理学療法経過-酷似する梗塞巣を有したWallenberg症候群例との比較-」では、
加藤氏より、Wallenberg症候群の症候に、病巣側の筋力低下もしくは運動麻痺を伴ったOpalski症候群の報告がありました。本症候では,分離運動は一般に良好であり、見過ごしがちな徴候であると思われました。今後の臨床において重要な示唆を与える報告でした。
勉強会の報告は以上となります。
次回定例勉強会開催については,近日中にお知らせいたします。