第22回脳機能とリハビリテーション研究会定例勉強会の発表の概要をアップしました!
勉強会への参加条件はございません。医療従事者、研究者でしたら、どなたでも参加可能です。
みなさまぜひ周囲の方をお誘いの上,ご参加ください.
参加申込みの詳細については下記をご参照ください。
期日 2017年9月3日(日) 13時00分〜16時30分 (開場:12時50分より)
会場 タワーホール船堀(東京都) 303会議室(3階)
アクセスMAP参加費 会員 無料 非会員 500円 学部生 無料
定員 48名
内容 プチ神経科学講座
「自動車運転に関わる認知機能-神経心理学的検査と実車評価を中心に-」藤田佳男(千葉県立保健医療大学 作業療法学専攻 准教授)
近年、高齢者の交通事故が増加しており、そのなかに「運転に支障のある病気」にり患していたとされる例が報道されています。それらの病気には我々の対象となるものも多く、専門職による対応が期待されています。そこで本講演では、まず運転に関する現状を概説し、運転という作業活動はなにか?また、認知機能と運転適性の関係および支援方法について紹介します。
症例報告1
「MRI画像や臨床所見とは合致しないMRAを示した脳梗塞例」
杉山聡(千葉脳神経外科病院)、高杉潤(千葉県立保健医療大学)
MRI DWIにて小梗塞が確認された症例のMR Angiography(MRA)の所見について報告する。症例は明らかな神経学的、神経心理学的所見を認めなかったが、MRAでは関連領域の動脈血管は描出されず、血管の形成不全が推察された。近年、脳血管像影技術の発達とともに、血行動態や血管形成と脳梗塞発症との関係性が報告されている。本報告では、MRIや臨床所見とは合致しないMRAの所見について考察する。
症例報告2「小脳性運動失調を呈した内包後脚梗塞例」江原真人(AOI国際病院)、高杉潤(千葉県立保健医療大学)
内包後脚のラクナ梗塞後、対側上下肢に小脳性運動失調を呈した症例について考察する。症例は60代男性、右利き。診断名はアテローム性脳梗塞。発症当日のMRI DWIにて右内包後脚に高信号を、SPECTにて右視床、左小脳外側に血流低下を認めた。神経学的所見は、左右肢共に錐体路症状(運動麻痺等)や感覚障害は認めなかったが、左上下肢に小脳性運動失調を認めた。また軽度の構音障害も認めた。神経心理学的所見は注意や記憶に異常所見はなく、無視症候群等も認めなかった。運動失調を呈した機序として、小脳遠心路(小脳-視床VL核-1次運動野)の経路のうち、VL核から運動野に向かう、内包後脚を走行する上視床放線に限局した損傷が推察された。内包後脚損傷に伴うAtaxic Hemiparesis(運動失調と不全片麻痺)の報告例は多いが、運動失調のみの報告は見当たらず、極めて稀な症例と考えられる。
症例報告3
「くも膜下出血後に高次脳機能障害を呈した症例の病態メカニズムの考察と、難渋している退院先についての討論」
大塚裕之(平成扇病院)
60歳代前半、男性、独居。生活保護申請中。介護保険は当院入院後、要支援1の判定を受けた。運動障害・感覚障害なし。病棟内独歩自立レベル。院内の生活で、予定した意図が遂行できない行為が観察された(例「居室で服を着替えたら食堂に来る」と伝えるも、食堂とは別の場所へ行く)。高次脳機能障害は注意障害・遂行機能障害・展望記憶障害を認めた。CT画像より、右半球の前頭極・内側前頭皮質・前帯状皮質・脳梁膝部・補足運動野に低吸収を認めた。本症例では、前頭用内側部および前頭極の損傷により、意図内容を一旦意識しなくなった後に、自発的に想起する役割が障害されていた可能性が考えられた。このような患者が退院する際、どのような配慮が必要か、フロアからご教示を頂きたい。
参加申込方法・演題(症例報告など)申込み先
方法1.
フォーム入力後、ご登録いただいたアドレスに、参加の可否につきまして返信致します。
方法2.
方法1.がうまくいかない場合、従前通り、定例勉強会事務局宛に以下の項目を明記の上、メールにてご送信下さい。折り返し、参加の採否について返信致します。メール送信後2日以上経っても返信がない場合は、再度、お問い合わせ下さい。
件名: 定例勉強会参加希望
本文: 1.脳リハ研会員or非会員
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3.お名前
4.連絡先(返信可能な個人のメールアドレス)
5.ご職業
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脳機能とリハビリテーション研究会 定例勉強会事務局
担当:山本哲
benkyokai@noukinou.main.jp (@を半角に直して下さい)
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