・藤田佳男氏(千葉県立保健医療大学作業療法学専攻 准教授)からは、主に脳損傷者の自動車運転の評価について講義がありました。内容は、①運転とはどういう作業か②自動車運転に関する心理学的モデルの紹介③各神経心理学的検査と自動車運転の可否の関連性④藤田氏が開発した有効視野の評価についての紹介と多岐に渡りました。責任ある適切な評価を専門職が行う必要性について認識させられる興味深い講演であったと思います。
藤田氏の発表の様子
・杉山聡氏(千葉脳神経外科病院)からはMRAでは片側椎骨動脈が描出されないが、明らかな神経学的、神経心理学的所見を認めなかった症例の報告がありました。MRAで血管が描出されなかったとしても、脳梗塞や血管狭窄だけではなく、血管の形成不全の可能性もあるとのことでした。フロアからはMRAで椎骨動脈が描出されなくても、無症状のことも多いことや、椎骨動脈の左右差が健常者でも多いとの議論がありました。このような背景を知ったうえで、MRAを見る必要があることを再認識させられる発表でした。
・江原真人氏(AOI国際病院)からは、内包後脚のラクナ梗塞後、対側上下肢に小脳性運動失調を呈した症例の報告がありました。SPECTでは、小脳が低潅流となっており、運動失調を呈した機序として、上視床放線の損傷が影響している可能性が考えられるとのことでした。フロアからは、軽度運動麻痺と運動失調の鑑別の議論、皮質橋路(下行路)の影響も除外できない等、盛んな議論がなされました。
江原氏の発表の様子
・大塚裕之氏(平成扇病院)からは、くも膜下出血後に注意障害・遂行機能障害・展望記憶障害を認めた症例が報告されました。高次脳機能障害が生じた機序(急性期の脳浮腫、脳内出血、脳室内出血、水頭症)から、在宅復帰に必要なアプローチ等、盛んな議論が行われました。
大塚氏の発表の様子
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