3月4日、第24回脳リハ研定例勉強会が行なわれました。
今回の勉強会も大変盛況で、非常に内容の濃い勉強会となりました。次回の定例勉強会も、引き続きのご参加および報告をお待ちしております。
期日 2018年3月4日(日) 13時00分〜16時30分 (開場:12時50分より)
会場 タワーホール船堀(東京都) 406会議室(4階)
アクセスMAP参加費 会員 無料 非会員 500円 学部生 無料
参加人数 24名
内容
ミニ講座
「精神科病院における身体的リハビリテーションの現状 - 他職種連携の必要性 -」
石井大典(茨城県立医療大学)
症例報告1
「右前大脳動脈領域での出血により身体パラフレニアを呈した症例」 戸部隆博、杉山聡(千葉脳神経外科病院 リハビリテーション科)
症例報告2
「両側後大脳動脈領域での梗塞発症後に多彩な神経症状を呈した症例」
杉山聡(千葉脳神経外科病院 リハビリテーション科)
症例報告3
「左島前部を中心とした脳梗塞例の臨床所見」
飯川 雄(君津中央病院)
発表内容の概要は、前回案内のブログをご覧ください。
以下、発表の様子
石井氏(茨城県立医療大学)からは、精神科病院における身体的リハビリテーションの需要が患者の高齢化に伴い、より増してきていることが報告されました。しかし、このような現状に対し、精神科の体制は十分に整っていないそうです。そのため現状では、身体的リハビリテーションを専門としない多職種が連携する必要があるとのことでした。ディスカッションでは、統合失調症や脳卒中後うつの対応等についても話し合われました。身体的リハビリテーションの専門職、精神科の専門職の両方にとって有益な発表であったと思います。

石井氏の発表の様子
戸部氏(千葉脳神経外科病院 リハビリテーション科)からは、右前頭葉内側面の脳出血により身体パラフレニアと考えられる症状を呈した症例の報告がありました。身体パラフレニアの定義、他の症候との鑑別、頭部画像所見から考えられる発症機序等についてディスカッションが行われました。

戸部氏の発表の様子
杉山氏(千葉脳神経外科病院 リハビリテーション科)からは、両側後大脳動脈領域の脳梗塞により多様な視覚性認知の障害を呈した症例の報告がありました。純粋失読、道順障害、街並失認等の多様な視覚性認知の障害の評価、症候の鑑別についてディスカッションが行われました。
杉山氏の発表の様子
飯川氏(木更津中央病院)からは左島前部にほぼ限局した梗塞を生じた極めて珍しい症例の報告がありました。症例は、注意障害を中心とした高次脳機能障害を呈したことが報告されました。高次脳機能障害の発症機序や島に関連した情動機能についてディスカッションされました。

飯川氏の発表の様子
勉強会の報告は以上となります。
次回定例勉強会開催については近日中にお知らせいたします。