本日5月10日、第13回脳リハ研定例勉強会が行なわれました。
前回勉強会と引き続き、今回も参加の締め切りを行う程の申し込みを頂き、大変盛況に勉強会を終えることができました。また、ディスカッションも非常に活発に行われました。定例勉強会は、今後とも3か月に1回の頻度で継続してゆく予定です。引き続きのご参加および報告をお待ちしております。
期日 2015年5月10日(日)
13時00分〜16時30分(受付開始12時50分)
会場 タワーホール船堀(東京都) 407会議室
http://www.towerhall.jp/4access/access.html
参加費 会員 無料 非会員 500円 学部生 無料
参加人数 34名
内容
プチ神経科学講座
「臨床で役立つ脳画像の見方」
山本哲 氏(茨城県立医療大学)
症例検討、研究報告1
「上肢に限局したpusher現象を呈したと考えられた症例
若旅正弘 氏 (茨城県立医療大学付属病院)
症例検討、研究報告2
「感情(情動)と機能回復の関連性」
大島 恵 氏 (城南病院)
症例検討、研究報告3
「phantom refferd sensation(幻肢の体性感覚)のマッピングが変化した大腿切断例」
杉山 聡 氏 (下志津病院)
発表内容の概要は、前回案内のブログをご覧ください。
■定例勉強会の様子
各発表において、大変興味深い話題が提供されました。
山本氏からは脳画像の見方についてのプチ神経科学講座が行われました。
山本氏の発表の様子
若旅氏からは、上肢に限局したpushingを生じた症例についての報告がありました。pushingの評価方法については諸家から報告がありますが、その中で、上下肢に分けて評価したものは見当たらないとのことでした。本症例は、方向特異的に非麻痺側上肢が押す症候を示し、非麻痺側上肢自体に特異な症候はないとのことでした。
今までに評価する方法がないために上肢に限局したpushigの報告が今までになかったのか、pushingは実は上下肢で別の機序となっているのか、これは回復過程で一時的に生じる症状であるのか等については明らかではありませんが、今後同様な症例の積み重ねが必要であると感じました。
若旅氏の発表の様子
大島氏より、Motivationと機能回復の関係についての話題提供がなされました。機能回復の過程において、Motivationに関わる脳領域と一次運動野の機能的神経結合の増強がなされるという話がありました。Motivationを高める工夫で成功したデイサービス施設の紹介がありました。リハビリテーションにおけるMotivationの重要性を再確認した話題となりました。
大島氏の発表の様子
杉山氏より、大腿切断例の欠損部位とは異なる領域に欠損部位の体性感覚が生じた(Phantom refferd sensation)症例の報告がありました。症例にMirror therapyを行ったところ、4年間継続した強い疼痛が著減しました。また、欠損部位の体性感覚のマッピングの変化が見られたとのことでした。
杉山氏の発表の様子
第13回定例勉強会の報告は以上となります。
次回勉強会のご案内については、近日中にお知らせ致します。